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上肢班

[ 概要 ]

慶應義塾大学医学部整形外科学教室の上肢班は、肩関節班と肘関節・手外科班の2つの臨床班より構成されています。現在、大学には4名のスタッフと3名のレジデントが在籍しており、臨床・研究・教育の全ての分野で活躍しています。また、関連病院・大学に出張している教室の上肢班員は100名を越え、日本で最も大きい上肢班です。
臨床では各スタッフの定期外来以外に、火曜日午後の“肩関節外来”、木曜日午後の“手外科外来”を行い、多くの患者様が日本全国から受診されています。その中には関連施設のみならず他大学からの紹介患者様も多く含まれます。
研究では骨・軟骨・神経・関節外科の基礎研究、腱および腱板の基礎研究、日本人に適した人工関節の開発、手関節のバイオメカニクス研究などを行い、成果を挙げています。
日本手外科学会・日本肩関節学会やアメリカ手外科学会、ヨーロッパ肩肘学会など国内外での学会活動も盛んで、毎年多くの発表を行っています。また、多くの上肢班員が各学会の代議員・評議員として活躍しています。

[ スタッフ紹介 ]

岩本 卓士 Takuji Iwamoto

准教授
卒業年度 2000年
専門 手肘の外科、関節リウマチ、人工肘関節置換

松村 昇 Noboru Matsumura

専任講師
卒業年度 2002年
専門 肩関節外科、肩関節鏡手術、人工肩関節置換
留学 2011年 サングレゴワプライベート病院(フランス)

鈴木 拓 Taku Suzuki

専任講師
卒業年度 2004年
専門 手肘の外科、胸郭出口症候群、テニス (ゴルフ) 肘

清田 康弘 Yasuhiro Kiyota

助教
卒業年度 2010年
専門 手肘の外科、外傷、母指CM関節症

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[ 実績紹介 ]

関節リウマチ

当科では従来の除痛を目的とした手術だけでなく、機能回復を目的とした手指変形の矯正、関節形成、上肢の人工関節置換術などを積極的に行っています。

人工肩関節置換術

末期の変形性関節症や腱板断裂で、肩の機能が失われた症例に対して人工肩関節手術を積極的に行っています。3次元術前計画・患者支援ガイド・ ナビゲーションを導入し、正確な手術を目指しています。

テニス肘 (上腕骨外側上顆炎)、 ゴルフ肘 (上腕骨内側上顆炎)

肘に付着する筋肉(腱膜)が様々な原因で変性し、肘の内側や外側に痛みを生じる疾患です。
注射や装具等の保存加療で改善しない場合には手術加療を行うこともあります。

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群は、上肢を挙上する(肩を上げる)動作を行うと神経や血管が圧迫され、手がしびれたり、冷たくなるといった疾患です。当科で行っている内視鏡を用いた術式では、従来の手術法より安全かつ確実に肋骨を切除することが可能で、その成績も良好です。

人工肘関節・人工手関節置換術

当班では日本人肘関節の形態計測を行い、日本人に適したK-NOW人工肘関節を開発しました。術前のCT画像から個々の患者様に最適なサイズおよび設置位置を3次元的に計画し、より確実かつ低侵襲な手術を行っています。3次元術前計画・独自技術を用いたAR手術により安全で確実な手技を追求しています。

母指CM関節症

親指の付け根にあるCM関節の変形により家事などの日常生活動作が制限され、高度な変形では手術を行います。鏡視下手術やsuture buttonの使用により患者さんに優しい治療を行っています。

反復性肩関節脱臼・肩関節不安定症

肩関節は大きな動きを持つ一方、一度脱臼を生じると繰り返し外れやすくなり、しばしば日常生活やスポーツ活動に大きな支障をきたします。各患者さんに適した手術を行うことにより、良好な関節の安定性を得ることが期待できます。

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