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骨・軟部腫瘍班
[ 概要 ]
骨・軟部腫瘍の診断・治療はきわめて特殊なものであり、整形外科領域の疾患の中で最も専門性が要求される分野といえます。当院の年間手術症例数は約350例で、悪性腫瘍に対する外科的治療は、大半の症例に患肢温存手術を、良性疾患に関しては類骨骨腫に対するCTガイド下治療などの低侵襲手術を行っています。また、遺伝子診断の臨床応用や新規分子標的治療薬の臨床試験などトランスレーショナルな臨床にも心がけています。
[ スタッフ紹介 ]
中山 ロバート Robert Nakayama
専任講師 | |
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卒業年度 | 2001年 |
専門 | 骨軟部腫瘍、がん骨転移 |
留学 | 2009年4月〜6月 ウィーン医科大学整形外科、 2013年7月〜2016年3月 ハーバード大学医学部 ダナ・ファーバー癌研究所 |
国内留学 | 2004年〜2008年 国立がん研究センター |
浅野 尚文 Naofumi Asano
講師 | |
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卒業年度 | 2004年 |
専門 | 骨軟部腫瘍外科(小児・成人)、がん骨転移、化学療法、機能再建 |
国内留学 | 2011年〜2017年 国立がん研究センター |
森 智章 Tomoaki Mori
講師 | |
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卒業年度 | 2005年 |
専門 | 骨軟部腫瘍、がん骨転移、化学療法 |
留学 | 2018年〜2020年 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 |
国内留学 | 2015年〜2018年 国立がん研究センター中央病院 |
山口 さやか Sayaka Yamaguchi
助教 | |
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卒業年度 | 2006年 |
専門 | がん骨転移 |
[ 実績紹介 ]
骨肉腫に対する再建
悪性骨腫瘍、特に骨肉腫の治療は、術前化学療法、手術、術後化学療法の順で行います。手術はほとんどの症例で、切断ではなく患肢温存手術を行い、腫瘍を切除した部位は腫瘍用人工関節や各種処理骨移植を行い再建します。
骨盤骨肉腫
液体窒素処理自家骨を用いた生物学的再建
悪性骨腫瘍では広範切除後の欠損部の再建が問題となります。症例によっては罹患部を切除、液体窒素で凍結処理し、腫瘍細胞を死滅させた後に切除部に戻して生物学的再建を行っています(下の写真は脛骨adamantinomaの症例です)。
類骨骨腫に対するCTガイド下治療
類骨骨種は有痛性の良性骨腫瘍です。従来の方法では、手術中、腫瘍の局在把握が困難で、その結果切除範囲が大きくなり、術後創部痛や社会復帰が遅れることが問題でした。当院では1995年より、CTガイド下経皮切除を行っており、低侵襲な方法で、創部痛の軽減や早期社会復帰を行うことが可能になりました。
皮下浸潤性軟部肉腫に対する精密縮小手術のための術前MRIマーキング法
皮下組織は悪性軟部腫瘍の発生母地の一つです。皮下にできた腫瘍の20%程度が悪性と言われています。また、皮下に発生する悪性軟部腫瘍は粘液線維肉腫など非常に浸潤性が強く再発率が高い悪性腫瘍が発生するのが特徴です。腫瘍の浸潤性を正確に把握し精密でなおかつ、切除範囲を最小限に抑えた手術を施行するため、MRIで使用可能な各種のマーカーを駆使して精密縮小手術をおこなっています。
浸潤性軟部肉腫の浸潤再発機構解明を目指したプロテオミクス解析
皮下に好発する悪性軟部腫瘍として粘液線維肉腫が知られています。粘液線維肉腫は浸潤性傾向が強く、腫瘍切除後の再発が非常に多いことが知られています。また、皮下に発生する軟部腫瘍は良性腫瘍と誤診される場合が多く、不適切な治療がおこなわれることも問題になっています。そのため浸潤性軟部肉腫の治療成績向上を目指した、新しい診断治療技術を開発するため、国立がん研究センター研究所と共同で、腫瘍に発現するタンパク質を網羅的に解析するプロテオミクス解析という技術を用い浸潤性軟部肉腫の浸潤再発機構解明を目指した研究をおこなっています。