2019年
2019年05月22日
大門憲史(88回) 第48回日本脊椎脊髄病学会学術集会にて日本脊椎脊髄病学会奨励賞(大正Award)受賞
2019年4月18-20日に横浜で開催された第48回日本脊椎脊髄病学会学術集会において大門憲史(88回)が’A 20-Year Prospective Longitudinal Study of Degeneration of the Cervical Spine in a Volunteer Cohort Assessed Using MRI Follow-up of a Cross-Sectional Study’の論文で日本脊椎脊髄病学会学会奨励賞(大正Award)を受賞した。
日本脊椎脊髄病学会は1974年に岩原寅猪会長(慶大)のもと第1回が開催され、現在では会員数3800名を超える脊椎脊髄分野では最も大規模で歴史のある学会である。本賞は日本脊椎脊髄病学会学術集会で発表された演題で2018年に学術雑誌に掲載された原著論文のうち、基礎部門・臨床部門それぞれで最も評価された論文にのみ与えられる大変名誉ある賞である。
本論文は、約20年間という長期間での、健常者における頚椎のMRI上での変性変化の結果をまとめた論文である。健常者193名を対象に、20年前と今回新たに撮像した頸椎MRI画像上の変化を調査し、健常者における20年間の頚椎の加齢性変化を明らかにした。
20年間では95%の被験者に何らかの画像上の頚椎の加齢性変化がみられることや、年齢層ごとの変性変化の特徴などを報告した。また、MRI上の加齢性変化が必ずしも頚部痛や肩こりなどの臨床症状の発現と関連するものではない、ということも本研究によって明らかにされた。
本論文のような、健常者における頚椎の20年という長期間の縦断的研究は世界的にも報告はなく、本報告では、頚椎疾患の治療方針決定や頚椎手術後の長期の経過観察を行う上で重要なデータとなりうる点が高く評価されたものと考えられる。
(渡辺航太 整形外科 76回)