2019年
2019年10月07日
赤外線誘導式人工膝関節手術支援ロボットを導入
慶應義塾大学病院は、最新鋭の赤外線誘導式人工膝関節手術支援ロボット NAVIO™(Smith&Nephew社製)を導入しました。このロボットは、主に変形性膝関節症、関節リウマチ、骨壊死、スポーツや外傷による後遺症などに対する人工膝関節置換術で使用されます。
これまで慶應義塾大学病院では、コンピューターナビゲーションを用いて精度の高い人工膝関節置換術を行ってきましたが、この度導入した手術支援ロボットは、従来を上回る正確性で、精密な作業をすることができ、ヒューマンエラーを減少させることができます。このロボットを使用した高精度の手術で、違和感のない、半永久的に使用できる膝関節の提供を目指します。
このロボットは、赤外線カメラにより関節の位置情報をキャッチし、関節表面の形状や関節の動きを正確に読み取ることで、骨を切る誤差を低減し、インプラントの長期安定性を実現させました(図1)。また、手術中にグラフ化された筋肉や靭帯のバランスを個人に合わせて微調整しながら、骨を掘削することが可能で、バランスのとれた違和感のない膝の動きを実現します(図2)。特に、従来の人工膝関節手術では切除せざるを得なかった十字靭帯をすべて温存することが可能で、若年者の活発な活動に対しても対応可能な膝を再現することができます。
このロボットを導入するのは、国内では4施設目となります。このロボットによって再現された違和感のない膝は、術後のリハビリがスムーズで、早期社会復帰が見込まれ、かつ長期間安定した状態で使用できるため、患者負担軽減につながることが期待されます。