2018年
2018年12月27日
浅野 尚文(整83回相当)第33回日本整形外科学会基礎学術集会 優秀ポスター賞受賞
2018年10月11 日~10月12日の2日間、奈良県奈良市で開催された第33回日本整形外科学会基礎学術集会において、浅野尚文(整83回相当)が“マイクロRNA-451aはCMTM6の発現抑制を介して、ユーイング肉腫の転移を制御する”の研究にて優秀ポスター賞に選出された。本学会は日本整形外科学会が主催する整形外科学の基礎研究に関する日本最大の学会であり、同賞は当学会で発表された712演題の中から選ばれた栄誉ある賞である。
浅野は2013年4月から2017年3月まで大学院医学研究科博士課程整形外科学教室において骨軟部肉腫における新規治療法の開発研究に従事し、2017年4月より助教として帰室後も研究活動を続けている。今回の受賞研究では、小児に好発する希少疾患であるユーイング肉腫の遠隔転移にマイクロRNA-451aとCMTM6遺伝子のネットワークが重要であることを世界で初めて報告した。CMTM6(CKLF-like MARVEL transmembrane domain containing 6)遺伝子は、3型膜貫通タンパク質で、これまであまりその機能が知られていなかったが、2017年のNature誌に、PD-L1(programmed death-ligand 1)の細胞表面の発現維持に重要で、腫瘍細胞による免疫回避に重要な役割を果たしていることが明らかとなり、世界的にも注目を集めている。肉腫の遠隔転移や免疫回避のメカニズムの解明につながる重要な研究で、今後はマイクロRNA-451aとCMTM6遺伝子のネットワークを標的とした肉腫の新規治療開発に向けて、更なる研究成果が期待される。
(整 中山ロバート 80回)
左から順に、中島大輔(87回)、松本守雄 教授(65回)、浅野尚文(整83回相当)