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2018年

2018年06月22日

大久保寿樹 (88回)平成29年度 東京都医師会医学研究賞奨励賞 受賞

2018年1月9日に、‘平成29年度 東京都医師会医学研究賞・グループ研究賞受賞者’が発表され、大久保寿樹(88回)が、『Pretreatment with a γ-Secretase Inhibitor Prevents Tumor-like Overgrowth in Human iPSC-Derived Transplants for Spinal Cord Injury』という論文で、平成29年度 東京都医師会医学研究賞奨励賞を受賞した。本賞は毎年、東京都医師会所属の勤務医を対象に、臨床医学、社会医学の分野で優れた研究を表彰し、併せて助成費を贈呈するものである。

大久保は2014年4月から2018年3月まで大学院医学研究科 博士課程に在学し、中村雅也 教授(66回)の指導の下で、ヒトiPS細胞を用いた脊髄損傷の細胞移植およびその臨床応用に関する研究に従事していた。今回の受賞研究は、iPS細胞を用いた移植治療における腫瘍化対策についての研究である。大久保の所属する損傷脊髄再生の研究チームでは、これまで脊髄損傷モデル動物に対する神経幹/前駆細胞移植の有効性を報告しているが、その一方で移植した細胞の腫瘍化をいかに防ぐかが最大の課題となっているのが現状であった。そこで大久保は、細胞の多分化能や自己複製能においてNotchシグナルが深く関係していることに着目し、脊髄損傷を加えたマウスへ腫瘍を形成する性質のあるiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を移植したが、移植前にNotchシグナルを阻害する薬剤(Gamma secretase inhibitor、GSI)で細胞を前処理することによって、移植細胞の腫瘍化を抑制することができた。また、移植細胞から脊髄神経回路の再構築が形成されることにより、運動機能の回復・維持を導いたことも明らかにした。今回の解明は、ヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植の臨床応用を実現させる上での、新たな腫瘍化対策として非常に大きな成果であるといえる。

同研究チームでは、今後脊髄損傷に対するヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植治療の臨床応用を目指しており、大久保が大学院在学中に発表した研究成果はその臨床応用に向け、大きく役立つものと考え、今後の展望が期待される。


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