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2017年

2017年06月02日

川端 走野 君(整86回特)第46回日本脊椎脊髄病学会奨励賞を受賞

2017年4月13日-15日に北海道(札幌市)で開催された第46回日本脊椎脊髄病学会において川端走野君が、” Transplantation of human iPS cell-derived oligodendrocyte precursor cells enriched neural stem/progenitor cells in chronic and subacute spinal cord injury”の論文で、第29回日本脊椎脊髄病学会奨励賞(大正富山Award)を受賞した。
 日本脊椎脊髄病学会は脊椎脊髄疾患に関する研究を促し,研究者の交流をはかるとともに研究成果と知識の公表および普及を通して人類の健康の保持・増進に資することを目的として活動しており、現在の会員数は3500名を超えている。本賞は学術雑誌に掲載された原著論文のうち、基礎と臨床の各部門で最も評価された論文に対して授与される、大変名誉ある賞である。
 川端君は整形外科学教室、生理学教室との共同研究で、脊髄損傷モデルマウスに対するヒトiPS細胞由来オリゴデンドロサイト前駆細胞移植の有効性を報告した。我々は2014年に、ヒトiPS細胞からオリゴデンドロサイト前駆細胞を多く含む神経幹細胞(human iPS cell derived oligodendrocyte precursor cell-enriched neural stem/progenitor cells 以下hiPS-OPC-enriched NS/PCs)へと分化誘導する方法を確立しており、本報告では、亜急性期脊髄損傷モデルマウスに対しhiPS-OPC-enriched NS/PCsを移植してその有効性を検討した。病理組織学的評価の結果、移植細胞は成熟オリゴデンドロサイトに分化して、残存軸索を再髄鞘化していた。さらに、移植した群では対照群と比較して運動機能や電気生理学的評価において有意な改善を認めた。注目すべき点は、従来の分化誘導法を用いるとヒトiPS細胞由来の神経幹細胞は主にニューロンに分化し、オリゴデンドロサイトにはほとんど分化しなかったが、今回の研究で用いたhiPS-OPC-enriched NS/PCsは移植後に成熟オリゴデンドロサイトに分化して、再髄鞘化に寄与したことである。
 我々の研究室では、神経幹細胞移植、薬剤、さらにリハビリとの併用などによる脊髄再生研究を行っている。本研究の結果より、hiPS-OPC-enriched NS/PCsは幹細胞移植療法においてより有用な細胞供給源になり得ると考えている。川端君の研究成果が将来的に臨床応用され、脊髄損傷のみならず,脱髄性疾患などの再生医療の現場で大いに貢献することが期待される。
(名越慈人 整形外科 81回)


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