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2017年

2017年01月30日

大久保寿樹(88回) 日本脊髄障害医学会 学会奨励賞 受賞

2016年11月10日-11日に千葉県の幕張メッセで開催された日本脊髄障害医学会の第51回学術集会において、大久保寿樹君(整88回)が、“脊髄損傷に対するヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植治療において、Notch signalの阻害は腫瘍化を抑制する”という演題で、学会奨励賞を受賞した。日本脊髄障害医学会は、脊髄損傷に関連した基礎医学および臨床医学研究における日本最大の学会であり、本賞は毎年、脊髄損傷に関連した基礎および臨床研究において優れた業績をあげた研究者に対して与えられるものである。
大久保君は2014年4月から大学院医学研究科 博士課程へ入学し、中村雅也 教授(整 66回)の指導の下で、ヒトiPS細胞を用いた脊髄損傷の細胞移植およびその臨床応用に関する研究に従事している。今回の受賞研究は、iPS細胞を用いた移植治療における腫瘍化対策についての実験である。大久保君の所属する損傷脊髄再生の研究チームでは、これまで脊髄損傷モデル動物に対する神経幹/前駆細胞移植の有効性を報告しているが、その一方で移植した細胞の腫瘍化をいかに防ぐかが最大の課題となっているのが現状であった。そこで大久保君は、細胞の多分化能や自己複製能においてNotchシグナルが深く関係していることに着目し、脊髄損傷を加えたマウスへ腫瘍を形成する性質のあるiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を移植したが、移植前にNotchシグナルを阻害する薬剤(Gamma secretase inhibitor、GSI)で細胞を前処理することによって、移植細胞の腫瘍化を抑制することができた。また、移植細胞から脊髄神経回路の再構築が形成されることにより、運動機能の回復・維持を導いたことも明らかにした。今回の解明は、ヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植の臨床応用を実現させる上での、新たな腫瘍化対策として非常に大きな成果であるといえる。
同研究チームでは、今後脊髄損傷に対するヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植治療の臨床応用を目指しており、大久保君が大学院在学中に発表した研究成果はその臨床応用に向け、大きく役立つものと考え、今後の展望が期待される。
(石井賢 整形外科 72回)


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