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2015年

2015年12月07日

藤田順之(79回)3rd International Philadelphia Spine Research SymposiumにてSecond Place Poster Award受賞

2015年11月9日~12日に米国Philadelphiaで開催された3rd International Philadelphia Spine Research Symposiumにおいて藤田順之君(整79回)がDisease Mechanisms and Pathobiology部門でSecond Place Poster Awardに輝き、前回に続き2年連続の受賞を成し遂げた。本シンポジウムは椎間板の分子細胞生物学、バイオメカニクス、ティッシュエンジニアリング、画像解析分野の更なる発展を目的に、2011年にPhiladelphiaにおいて発足した権威ある国際学会である。今回は米国整形外科基礎学会のサポートを受けての開催となり、例年以上に世界各国より多くの椎間板研究者が参加し、熱い議論が4日間繰り広げられた。
同君は椎間板の恒常性維持機構に対して分子生物学的手法を用いた研究を実施し、本学会では「A chordoma-derived cell line U-CH1-N recapitulates the biological properties of notochordal nucleus pulposus cells」を報告した。過去の椎間板細胞の培養実験では、主にげっ歯類の椎間板由来の細胞が広く用いられてきたが、長期の維持が困難であった。同君は、椎間板を構成する髄核が胎生期脊索から分化し、かつ骨軟部腫瘍である脊索腫の起源も同様に脊索であることに着目し、ヒト脊索腫細胞株U-CH1-Nを髄核研究に応用し、その有用性を検討した。その結果、同細胞株は髄核細胞の分子生物学的特徴と極めて類似していることが判明し、更に本細胞株を用いる事により、脊索と髄核の共通分子マーカーである転写因子brachyuryの恒常性維持としての機能を世界で初めて明らかにした。
超高齢化社会を迎えた日本において、椎間板変性は有訴者率の高い腰痛の原因の一つと考えられているが、今回の同君の見出した脊索腫細胞株の分子生物学的特徴は、髄核細胞の恒常性維持のメカニズムの解明研究に大いに役立つものと考えられる。今後、更なる椎間板の基礎研究の進歩により、将来的には椎間板の変性抑止等の新規治療法の開発も期待される。今回の受賞は、今後の椎間板研究を大きく飛躍させる可能性を高く評価されての受賞であり、同君の益々の研究成果を期待したい。
(石井 賢 72回)


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