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2015年

2015年11月12日

小倉洋二(84回)が第50回国際側弯症学会でBest Poster賞を受賞

2015年9月30日-10月3日にアメリカ・ミネアポリスで開催されたScoliosis Research Society 50th annual meeting(SRS:国際側弯症学会)において、小倉洋二君(84回)が、“Functional Analysis of the newly identified Gene Clarified the Pathomechanism of Adolescent Idiopathic Scoliosis”の演題にてJohn H. Moe Awardを受賞した。SRSは1966年に創設された脊柱変形の臨床と基礎領域で最も歴史と権威のある学会で、今回は第50回の記念大会として盛大に催された。John H. Moe Awardは基礎領域の最もすぐれたポスター発表に与えられる栄誉ある学会賞である。世界中から1800題もの演題の応募がある本学術集会の中で、今回見事受賞となった。
思春期特発性側弯症(AIS)は成長期の子供、特に女児に多く発症する脊柱の変形疾患で、悪化すると手術を要する難病である。有病率3%のcommon diseaseで複数の疾患感受性遺伝子と環境因子の相互作用により発症すると考えられている。松本守雄教授、渡辺航太講師を中心とするわれわれのグループでは、過去にゲノムワイド相関解析(GWAS)により2つの疾患感受性遺伝子を発見した。しかし、これらの遺伝子がどのようなメカニズムで側弯症の発症に関わるのかは解明されていなかった。病態解明のためには、さらに多くの遺伝子を同定する必要があったため、今回、GWASに用いるサンプル数を前回の約5倍に、調べるSNPの数を400万個と前回の約8倍にすることで、新しい疾患感受性遺伝子、BNC2を発見した。そして、in vitro、in vivoの機能解析を行うことで、BNC2遺伝子がどのように側弯症発症に関わるのか、そのメカニズムを解明した。
今回発見したrs3904778というSNPはBNC2遺伝子の第3イントロンに存在する。rs3904778の一塩基の変化により、BNC2の発現が、脊髄や軟骨、骨で増えることがin vitroの解析から判明した。われわれはこれら筋骨格系組織でのBNC2過剰発現が側弯症を発症させるという仮説を立てた。実際にzebrafishにBNC2を過剰に発現させたところ、側弯症が起こることが証明された。
また、本遺伝子は筋骨格系組織だけでなく、子宮や卵巣といった女性生殖器でも高発現しており、AIS発症の性差にかかわっている遺伝子である可能性があり、今後さらなる研究の進歩が期待される。以上、同君の研究はAISの病態解明、さらに今後の診断・治療に寄与する研究として、国際的に高く評価された。(松本守雄 65回)


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