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2013年

2013年06月03日

石井賢(72回)と高橋洋平(83回)が日本整形外科学会奨励賞をダブル受賞

平成24年度日本整形外科学会奨励賞-臨床研究に石井賢(72回)が、また同賞-基礎研究に高橋洋平(83回)の論文が選ばれ、当教室員がダブル受賞の快挙となった。その表彰式と受賞講演は去る平成24年5月22日~26日に広島市で開催された第86回日本整形外科学会学術総会にて盛大に開催された。本賞は1年間を通じて日本整形外科学会会員数23000人が執筆する全ての論文の中で最も優れた臨床研究および基礎研究論文に授与される同分野では最も名誉ある賞である。
石井らの論文“Remodeling of C2 Facet Deformity Prevents Recurrent Subluxation in Patients with Chronic Atlantoaxial Rotatory Fixation (AARF) -A New Strategy for Treatment of Chronic AARF-(陳旧性環軸関節回旋位固定における新たな治療法―リモデリング療法―)”が受賞に輝いた。頚椎環軸関節回旋位固定は上位頚椎の亜脱臼により斜頚を呈する小児に好発する疾患である。その陳旧例は整復困難や整復後の再発を生じることが多いため、全世界的に外科的頚椎固定術が治療の主体となっている。しかしながら、小児の頚椎固定術は極めて難易度の高い手技であるため、神経損傷や動脈損傷などの重篤な合併症リスクの報告もある。石井らは、陳旧例の画像所見の詳細な解析から、まず脱臼再発の原因が長引く亜脱臼によって生じる軸椎関節面の変形であることを突き止めた。さらに、整復後の一定期間の特殊な装具による外固定によりその関節変形にリモデリング(再形成)が生じ再発が防止され、かつ正常な関節可動域を獲得できる新たな保存療法“リモデリング療法”を世界に先駆けて報告した。石井らの提唱した“リモデリング療法”は、現在国内外で広く普及しつつあり、日本のみならず欧米でも手術を回避し得る極めて低侵襲かつ有効な方法として陳旧性環軸関節回旋位固定症例に対する標準的治療法と成り得るとの高い評価を得ている。
高橋の受賞論文は「思春期特発性側弯症の全ゲノム相関解析」である。思春期特発性側弯症(Adolescent Idiopathic Scoliosis:AIS)は思春期の女子の2%に発症する脊椎が変形する疾患で、進行例では手術要することもある。今回、全ゲノム相関解析という手法を用い、LBX1という遺伝子の近傍にある一塩喜多型(single nucleotide polymorphism・・SNP)がAISの発症に関与する事を明らかにした(Nature Genetics 2011)。本SNPは他人種でも再現性が確認されており、世界で共通のAISの原因因子と考えられている。本SPNの近傍にはLBX1遺伝子が存在し、本遺伝子は神経形成に関与することが知らせており、神経疾患に側彎が多く発生する事は知られており、神経疾患に側彎が多く発生する事からLBX1遺伝子がAISの疾患感受性遺伝子の有力な候補であると報告した。今後はゲノム情報と臨床情報を統合したAISの診断・予測モデルの作成を行い、これにより、AISの発症・進展のリスクが、より簡使、正確、かつ確実に予測できるようになる事が期待される。

石井賢

石井賢

高橋洋平


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